松山
生活
2025.02.15
今井さん(奥島病院)に「赤ひげ功労賞」
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婦人科医 女性に寄り添い尽力
奥島病院(道後2)で非常勤医を務める今井洋子さん(89)が、第13回日本医師会赤ひげ大賞の「赤ひげ功労賞」を受賞しました。この賞は、地域医療に長年貢献した医師を表彰するもので、今井さんの半世紀以上にわたる活動が高く評価されました。
今井さんは、松山東高等学校から京都大学薬学科を卒業し、薬剤師として働いていましたが「医師でなければ本当の治療はできない」と感じ、同大学医学科を再受験。女性特有の痛みが分かる医師になりたいと産婦人科医になる道を選択。卒業後、結婚・出産を経て、36歳で医師となりました。
その後、国立松山病院(現四国がんセンター)や松山逓信病院(現松山まどんな病院)で勤務し、外来診療やお産、手術、緊急対応など、多忙な日々を送りました。
また、医師としての業務にとどまらず、地域の高校・中学校での性教育指導や、婦人科疾患に関する講演を行うなど、様々な活動に尽力しました。
約30年前に定年を迎えた今井さん。とある会合で偶然隣に座った奥島病院前院長の奥島團四郎さんに、半ば冗談で「婦人科をつくってよ」と持ち掛けたところ、とんとん拍子に話が進展。外科専門だった同病院に婦人科が開設し、勤務することになったと言います。
現在も地域医療に携わる今井さんは「昔からの患者さんやその子どもたちが検診などで元気な顔を見せてくれることが励み。90歳までは頑張りたい」と笑顔で語っています。